ケアリーヴ™絆創膏お役立ち情報 すりキズの正しい処置と医療機関へ行く目安を紹介

すりキズの正しい処置と医療機関へ行く目安を紹介

すりキズ(擦り傷)は老若男女問わず、ちょっとした油断によってできてしまいます。誤った処置をしてしまうと治りが遅くなったり、キズあとが残ったりする場合があります。そのため、適切な手当てを心がけたいところです。
ここでは、すりキズの正しい手当ての方法と医療機関へ行く目安を解説します。あわせて、すりキズを負ったときのNG行動についても紹介します。

すりキズの正しい手当ての方法

すりキズの正しい手当ての方法を説明します。

手をきれいに洗う

すりキズができてしまったら、キズの手当てをする人はまず手を洗いましょう
汚いままの手でキズぐちに触れると、キズぐちから雑菌が侵入して、症状が悪化することがあります。
石鹸での手洗いが望ましいですが、公園など石鹸がない場合は、水道水で入念に手を洗ってください。

キズぐちをきれいな水で洗う

キズぐちは、清潔な水で洗うようにしましょう
汚れや細菌がキズぐちに付着している場合が多いので、まずは水道水できちんとキズぐちについた汚れを洗い流してください。水道がない場合はペットボトルの水などでも大丈夫です。
キズぐちに消毒液を塗ると、キズを治すための細胞や体液もキズつけてしまい、キズの治りが悪くなる場合があります。そのため、最近では消毒液は使わない方がよいとされています。

異物があれば取り除く

キズぐちに砂や泥などの異物が見られる場合は、早めに取り除きましょう。
砂や泥がキズぐちに残っていると、患部が感染しやすくなります。感染すると、キズが化膿したり、治りが遅くなるだけでなく、キズあとが残ってしまう可能性も高くなります。そのため、最初にキズぐちを洗うときに、異物を取り除いておくことがとても大事です。

止血する

キズが深いと、なかなか血が止まらないことがあります。そういうときは、出血を止めることを優先してください。
止血方法としては、出血しているキズぐちにガーゼやハンカチを当てて、しっかりと圧迫します。しばらく圧迫すると、大抵のすりキズであれば数分〜十数分の圧迫で止血できるはずです。出血がなかなかおさまらないときは、「血がなかなか止まらない」の項をご参照ください。
なお、キズの上部をしばって血を止めようとするのは、血管や神経を傷めることになりますので、絶対にやめてください。

キズぐちに救急絆創膏を貼る

出血が止まったら、キズぐちに救急絆創膏を貼りましょう
救急絆創膏は、パッドがキズぐちよりも大きいものを使います。手元にキズぐちより小さい救急絆創膏しかなければ、取りあえず2~3枚並べてキズを覆うことは差し支えありませんが、早めに1枚でキズを覆える大きさの救急絆創膏に貼り替えましょう。救急絆創膏は常に携帯し、ケガのときにすぐに使えるようにしましょう。

こんなすりキズは病院へ!

次に、すりキズで医療機関へ行く目安を解説します。

異物が取れない・見つからない

キズに残った異物が取れない場合や、異物感があるのに見つからない場合は、応急手当をしたあとに医療機関へ行きましょう
砂利道で転んだ場合など、キズの内部に細かな砂が入ってしまうことがあり、水道水で洗うだけでは取り除けない場合もあります。
すりキズであれば「皮膚科」「形成外科」「外科」「整形外科」がよいでしょう。すりキズなどの処置に慣れている施設なら、適切に対応してくれるので安心です。

血がなかなか止まらない

圧迫止血してもなかなか血が止まらない場合は、速やかに医療機関を受診してください。
すりキズ程度であれば、通常数分〜十数分ほどの圧迫止血で血は止まります。しかし、受傷部位や体質等によっては、なかなか止まらない場合もあります。
目安として、5分以上止血しても血が止まらない場合は、圧迫止血を続けたまま医療機関を受診しましょう

キズの範囲が深い・広い

軽いすりキズであれば、水道水で洗って救急絆創膏を貼っておけば、手当ては完了です。しかし、キズの範囲が深い場合や広い場合は、応急手当の後に医療機関で診てもらうことも考えなければなりません
そのまま放置すると皮膚内部で雑菌が繁殖し、化膿するかもしれないからです。
またキズの深さが自分で判断できない場合も、病院を受診することをお勧めします。

キズぐちが化膿している

すりキズ程度のキズなら、通常はそのまま回復します。
ところが、キズぐちに異物が残っていると、細菌感染しやすくなります。
この細菌に感染している状態が、いわゆる化膿している状態です。
キズぐちに残った異物や壊死した皮膚組織などから感染し、炎症を引き起こしてしまうことがあります。キズが赤く腫れ、熱を持ち、痛みがあると感染が疑われます。ひどい感染の場合、キズぐちから「膿」が出てきます。
膿は白血球などの体液や、死んだ細菌などを含んだ液体で、粘りや臭いがあるのが特徴です。色も黄色や緑色など、見た目ですぐに異常が発生しているとわかります。
化膿が見られる場合は、早めに医療機関に行くことをおすすめします。

顔や頭のすりキズ

すりキズは手足だけでなく、顔や頭に負ってしまうこともあります。
その場合は早めに医療機関に行くのが賢明です。顔や頭は非常にデリケートな部分であり、細菌感染すると化膿だけでは済まない場合もあります。
顔や頭には重要な部位が密集しています。ケガをすれば、キズあとや障害が残ってしまうこともあります。
体幹や手足の転んだ程度のすりキズであれば問題はありませんが、顔や頭の場合は例外と考えておきましょう。ケガした直後は気にならなくても、後になってから「目や鼻が痛い」「頭が痛い」という症状にさいなまれる可能性もあります。
顔や頭にすりキズや打撲キズができたら、キズの部位だけでなく他に障害がないことも診断できる医療機関を受診するようにしましょう。

すりキズへのNG行動

最後に、すりキズへのNG行動を紹介します。

洗い流さずに手当てをする

すりキズに限らず、キズは異物が入ることで化膿します。
キズぐちが汚れたまま処置をするとキズ内部で細菌が繁殖し、感染して膿が出ることもあります。そのため、すりキズは必ずしっかりと洗って、汚れや異物を水道水で洗い流してから手当てするようにしてください。あわせて、手当てをする人の手もきちんと洗いましょう。ケガをしたとき、キズを洗う適当な水がない場合は、とりあえずその場では救急絆創膏を貼っておいて、その後できるだけ早くキズぐちを洗うようにしてください。

消毒をする

消毒液はキズぐちを消毒してくれる反面、キズを治す細胞や体液の障害にもなります。
最近では、キズは水道水で洗い、消毒はしない方がよいとされています。
ただ、インターネットでは、キズぐちの消毒をすすめているサイトもあります。水洗いだけでは心配だ、という方は消毒しても差し支えありませんが、キズの治りが遅くなるかもしれません。

キズぐちを乾かす

すりキズを負った場合、キズぐちを乾かすのはNGです。キズを早く治したいなら、キズを乾かさないのが鉄則です。
キズが乾燥すると、生きている細胞や体液中に含まれるキズを治す成分もダメージを受けてしまいます。
キズが乾燥してかさぶたになると一見治ったように見えます。しかし、実は皮膚の再生が遅れ、キズあとが残りやすくなるのです。
パッド部分がハイドロコロイドという素材でできている「治癒促進タイプ」の絆創膏は、キズぐちが乾燥しないように保護し、キズを早くきれいに治してくれます。ただし、感染を伴う場合やキズが深い場合には、逆にキズが深くなることもあるので、判断が難しければ近くの医療機関を受診しましょう。

まとめ

「キズは消毒して乾燥させる」と言われてきましたが、現在では「水洗いして治癒促進タイプの絆創膏を貼る」という処置が優れていることがわかってきました。

ニチバンでは、すりキズに効果的な絆創膏を取り扱っています。「ケアリーヴTM治す力TM」シリーズは、キズをモイストヒーリングで治し、キズの周りの皮膚には通気性に優れたテープ素材でストレスをかけない、治癒促進タイプの絆創膏です。指先に貼りやすい小さなスポットサイズから、肘や膝などの大きなすりキズにも対応できるジャンボサイズまで、全14サイズを取り揃えています。ケガをしてしまった場合は、ニチバンの高機能絆創膏「ケアリーヴTM治す力TM」シリーズでキズを早くきれいに治しましょう。

記事監修者
土井悠人先生
福井医科大学医学部医学科卒業。
形成外科医・皮膚科医・ 美容皮膚科医・ 美容外科医。金沢医科大学病院、産業医科大学病院、その他関連病院の勤務を経て、現在箱崎どいクリニックの院長を務める。
日本形成外科学会専門医・日本美容外科学会(JSAPS)会員